したがって、原則的には、初回発作のみでは、治療は開始されません。 ただし、てんかんの発症率の高い基礎疾患を持っていることが明らかな場合はその限りでなく、社会的な状況によっても、開始基準は異なってきます。 @薬物療法 てんかんと診断された場合、抗てんかん薬による薬物療法が基本となります。 薬は毎日飲むことが原則です。 乳幼児では、1日3回服用することも多いですが、大抵は1日2回の服用です。 急に服用を止めると発作が誘発されることがありますから、自己診断による服薬中止、飲み忘れはしない様に心がけて下さい。 自分(もしくは子ども)が飲んでいる抗てんかん薬は、その薬品名(商品名でも可)、投与量、投与法は記録して置いた方が良いでしょう。 副作用も一度は確認しておいた方がよいです。 薬局や抗てんかん薬を処方している病院以外から薬をもらうときには、何を服用しているのかキチンと伝えられる様にしましょう。 抗てんかん薬を始めたら、血液検査・尿検査を定期的に受けて下さい。(投与開始初期、投与量変更時は頻回な採血になることもあります) 発作を医者が目撃することは以外と少なく、また、投薬によって日常生活でどんな変化が生じているかは本人・家族でないとわかりにくいものです。 → 発作の様子・日常生活上の問題をできる限り正確に、決して遠慮せずに医者に伝えて下さい。 結婚・妊娠・出産 : てんかんと生殖能力は関連しません。 ただし、妊娠によって抗てんかん薬の血中濃度が変化する可能性があり、また、抗てんかん薬には催奇形性があるものが多いので妊娠・出産の予定があれば、速やかに主治医に相談しましょう。 <抗てんかん薬の中止>
ちなみに、欧米の医師に比して、日本の医師は脳波所見を重視する傾向があります。 A生活リズム コントロールが良好ならば、日常生活上は殆ど特別な制限はいりませんが、一般的な注意事項をキチンと守ることは大切です。 疲労の蓄積・睡眠不足に注意 : だらだらと夜更かしはしないで下さい。起きているときは集中して作業し、眠るときはぐっすり眠るようにしましょう! 小児の場合、旅行・冠婚葬祭の出席等に際しては、大人の都合に合わせず、こどもの体調を優先する様にして下さい。 危険な場所(海・プール、高所など)には一人では行かないようにしましょう! → 監視体制の整っている施設・場所を選ぶことが大切です。
特に、抗てんかん薬の開始・中止に際しては、充分に話し合いたいものです。 患者さんも、自分がなぜ薬を飲まなければいけないのか、何のために飲んでいるのか、納得しておくことが重要です。 一般の病院の場合、一人当たりの診療時間が短すぎることが多いですが、必要であれば双方の都合をつけて時間を確保することはできます。 (診療科についても互いに納得できるものにしたいです。) 主治医の診断・治療に100%の納得が出来ない場合、セカンドオピニオンを求めることは悪いことではありませんし、患者さんが気を使うほどには医者もきにしてはいません。(コントロールがつかないときは、医者も困ってる?!) ただし、3カ所以上病院を回ったり、発作が頻発している方は、あまり遠方の病院に主治医をもつのは望ましくありません。 慢性疾患、とくにてんかんなど発作性疾患の基本は、「遠くの名医より近くの良医」と思われますが、個々の諸事情もありますから、複数の病院で診てもらう場合は、それぞれの病院の機能を考慮して、どこを主体にするかをまず良く検討しましょう! てんかん診療では、神経疾患の多くもそうですが、治療に正解を見つけることは難しいものです。したがって、患者さんと医者とが、互いに正直で円滑な関係を持とうとすることが必要不可欠となります。 |