治療のうえで大切なことは?
原因(出生前・周生期・後天性)の予防が大切です。それぞれの症状に対しては薬物療法や
リハビリテーションを行いますが、基礎にある脳発達障害(脳発達の遅れや脳の働きの不安定
さ)に対する働きかけがもっとも大切です。このためには、障害と発達を理解して、毎日の
家庭や社会での生活を通して脳の発達を促進するようにします。
障害とは?
「日常生活を送る上での、身体的あるいは知的な不自由さや困難さであり、体質(個性)である」(病気ではない)
疾患の急性期には、いわゆる病気として安静や薬物治療などの医学的な治療が中心となりますが、
慢性期や治癒した後は、積極的に充実した生活を送れるように、生活指導を行います。周囲の皆と
出来るだけ同じように生活できるように、必要なときに手助けします(QOLの向上と維持)日常生活
においては、病名はあまり意味がありません。なにが出来て、なにが不自由かという状態をよく知る
ことが大切です。
障害のいろいろ
・内臓器官の障害:心臓、腎臓、肝臓などの疾患、聴力の障害、視力の障害、
筋肉や骨の疾患(筋ジストロフィー症、重症筋無力症、骨軟骨異栄養症)。
・脳発達の障害 :知的障害、運動障害、てんかん、病的な老化(神経変性疾患、老人性痴呆症)など。
発達は生涯続いていますが、退行が発達を上まわると老化が起こります。
障害と発達を理解する
発達の基本を理解することが障害の理解を助けます。
1.発達はひとつひとつの機能の獲得の積み重ねである(暦年齢ではなく発達年齢で評価)。
また発達はレールのようなもの(方向を誤ったときには、正しいところまで戻りやり直す)。
2.障害の有無にかかわらず人間は一生発達している。
発達は上向きのものだけではない。退行(老化)を遅らせることが出来る。
3.内臓器官の働きは脳の発達や脳の働きの安定性と密接な関係を持つ。
治療のポイント(QOLの獲得と向上)
1.脳の発達の促進と働きの安定
脳は生涯発達を続けています。毎日の生活が大切です。
・規則正しい生活のリズム(食事と睡眠) (睡眠と成長ホルモン、睡眠と記憶)
・楽しい日常生活の刺激と適度の運動 (快い疲労とよい睡眠、身体発育の促進)
2.薬剤(抗てんかん薬、杭痙縮剤など)の服用:正しい服用と好ましくない作用の理解。
3.リハビリテーション:毎日の生活の中で行う。←楽しくやる!
4.心理療法・行動療法・塾切な教育環境と指導。
5.合併症(貧血、気管支喘息、骨粗鬆症、肥満など)の治療。