抗てんかん薬の研究開発

平成12年5月28日
新薬の開発承認促進プロジェクト委員会
竹田 正明

最近の脳神経科学および創薬技術の進展により、欧米では数種の新しい抗てんかん薬が創製され、すでに承認発売されている。
しかし、日本国内におけるこれら新薬の臨床開発には10年近い遅れがあり、まだ臨床使用には至っていない。新薬の開発承認は
重要性と緊急性を有するとの認識に立って、当協会内に抗てんかん薬の早期承認を可能にするためのプロジェクト委員会が設置
され、すでに答申書も提出されている。本報告書は上記委員会で検討された内容に若干の加筆を行ったものである。

1.歴史
てんかんを薬剤で治療したいと言う努力は140年以上の長きに渡って続けられ、その過程には画期的な創薬原理と新薬の発見が幾つも認められる。これらの成果は抗生物質、抗精神病薬、抗高血圧薬にも匹敵すると考えられる。

第1表 抗てんかん薬の発見物語
薬剤名発見者・年内容
ブロムカリLocock,1857鎮静作用の発見
Clouston,1868抗てんかん作用の確認、薬物治療の端緒となる。
フェノバルビタールHauptomann,1912鎮静作用を期待して投与し、抗てんかん作用を認めた。最初の有機合成医薬品の登場
フェニトインBiltz,1908最初の合成
Merritt&Putman,1938バルビタールの骨格との類似性から、抗痙攣作用を見出した。
実験方法と構造活性相関の提示
バルプロ酸Eymard,1961化学反応の溶媒として、使用していたバルプロ酸の薬理作用を発見
Meunier,1963抗痙攣作用の発見
Carraz,1964抗てんかん作用の確認
ペンゾジアゼピンSternbach,1957Ro5-0690の合成
Ranndall,1957筋弛緩作用、馴化作用、抗痙攣作用の発見

秋山;薬の発明、ファルマシアレビューNo.27,p121(1990),MacNamara;
Goodman&Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics 9th Ed.p461(1996)

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