てんかんは忌まわしい病名か

 現在、わたしたちが用いている「てんかん」という病名は、西欧諸国で広くつかわれているエピレプシー(Epilepsy)よりも起源の古い、古代中国医学、世紀前200年頃、万里の長城を築いた秦の始皇帝の時代、官廷医たちによって編纂された中国最古の医書である「黄帝内経大素」に由来する用語ですが、「癲癇(てんかん)」という漢字が難しいから仮名で書くようになって、いっそう意味がわからなくなった嫌いがあります。
 今日のてんかんを意味する言葉として最初に用いられたのは「癲(てん)」で、癲疾とか癇疾という言葉が使われました。
 漢字の「癲(てん)」は顛倒の顛にやまいだれで囲んだもので、「倒れる病」という意味であり、英語でてんかんを意味する「倒れる病(fallingsickness)」とまさに符号しています。
 「癇(かん)」はひきつけ、けいれんを意味する言葉で、もとは小児てんかんを意味する病名でしたが、「癲」と「癇」を合わせた「癲癇」という用語が使われるようになったのは、唐の時代(618〜907年)の末、わが国では9世紀の初頭に編纂された「千金方」以後で、漢方医がこの病名を用いるようになりました。
 このように、「癲癇」という言葉は、てんかん発作の代表ともいうべき大発作である「倒れる病」という意味であり、合理的・科学的です。・・・(以後省略)

秋元波留夫先生講演より


 上記の文面は、萌文社発行の『明るく生きるてんかんの時代』〜講演:秋元波留夫先生〜より引用しました。
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